令和4年1月1日時点の不動産鑑定士の登録人数は、9,733人(不動産鑑定士補含む、国土交通省発表を引用)です。なお、9,733人の内、不動産鑑定業務に従事している人数は、およそ半数以下の4,600人程度と考えられ、残り約5,100人は不動産鑑定業務に従事しておりません。

「資格持っているのに、半分以上の人が不動産鑑定士としての仕事をしていないの?」と思われるかもしれませんが、意外にもそうなんです。ディベロッパーで不動産開発に従事、不動産ファンドでアクイジション・AM業務に従事、不動産売買仲介業務や各種コンサルティング業務に従事する方が多くいらっしゃいます。

私が不動産鑑定士になるための実務修習を受けている頃、いつも数人の修習仲間と楽しくお酒を飲んでおりましたが、今現在、不動産鑑定業務に従事しているの、私だけでした。。。と言うと分かりやすいでしょうか。他の仲間は、売買仲介・不動産会社勤務・コンサルティング業務といったところです。

不動産鑑定士は国家資格なので、「士業」と呼ばれるグループに分類されたりしますが、他の士業の人数はどうでしょうか、各団体の公表数値等を拾ってみました。


弁護士:約43,000人 公認会計士:約34,000人 社会保険労務士:約43,000人 行政書士:約50,000人

税理士:約80,000人  司法書士:約23,000人 土地家屋調査士:約16,500人  弁理士:約11,500人


他の資格では、一級建築士:約37万人 宅地建物取引士:約112万人(登録者)、約55万人(取引士証交付者)があり、この2資格は資格保有者がかなり多いです。


結果、いわゆる「士業」と呼ばれるグループ内では一番人数が少ない資格ということになりました。主たる業務が「不動産の価格を表す」という狭い分野となり、業務量が限られることから資格保有者・業務従事者が少ないことになるのかと思います。

ですが、業務内容が狭い・人数が少ないというのはデメリットだけではなく、メリットもあります。その1つとして、「紹介により業務を受注しやすい」という特徴があります。

人数が少ないだけに、「不動産鑑定評価を頼みたいのだけど、知り合いがいない。誰に頼めばいいか分からない。」という事象がよく発生します。そのような場合、依頼したい方は、「不動産鑑定士を知っていそうな不動産会社の方」や「不動産鑑定士を知っていそうな弁護士や税理士」に相談することになりますが、そのような業種の方を通して、紹介で業務を受注することも多いです。

私の場合も、不動産会社の方や、弁護士・税理士・司法書士といった士業からのご紹介で業務を受注することが多く、紹介頂いたからには中途半端な仕事は許されず(紹介でなくともしっかりと仕事はしている自負はありますが)、身が引き締まる思いで業務に取り組んでおります。