さて、前回は「柏そごう」について触れましたが、2016年の閉店後、現在までおよそ7年間、土地・建物はそのままの状態となっておりますが、なぜそのように放置されているのか、経緯を書きたいと思います。

2016年の閉店後、2018年には土地・建物の所有権はそごうから三井不動産に移転(売却)しました。とは言うものの、実は柏そごうの土地・建物はそごうが1棟全体を完全所有している訳ではなく、40名強の地権者も持分を有しておりました。三井不動産は地権者所有部分も取得すべく、各地権者と交渉のうえ地権者持分を取得したのですが、全ての地権者持分を取得することはできませんでした。三井不動産は持分を100%にするために地権者と交渉をしたようですが合意できず、結局裁判となり、裁判には当然時間がかかるものですから、ようやく100%全て取得となったのが2021年になりました(ここまでの経緯については、一部伝聞を含みます)。三井不動産がそごう持分取得の優先交渉権を得たのが2017年ですので、100%取得まで約4年の月日が過ぎたこととなります。

さて、ここからは私の完全推測になります。2021年に100%を所有することになった三井不動産は、建物解体&再開発に向けて進むことになりますが、4年の期間が経過している間に想定外の事態が起こったと考えられます。その想定外の事態を推察すると、「①つくばエクスプレス沿線の想定以上の発展により、JR柏駅の吸引力(集客力)が弱まったこと」「②集客力が弱まれば、出店するテナントは売上が減るので、当然テナントが負担できる賃料が弱まる」「③テナントが負担できる賃料が弱まったことに加え、建築費が大幅に上昇し、また解体費用も高騰している」というものです。つまり、三井不動産としては、「時間とコストをかけて柏そごうを取得したものの、採算が合う再開発が不可能になった」ということです。

結果、2021年に三井不動産が100%所有になったものの、事態は何も進展せず2023年になり、ようやく柏市が動き出したということになります。

柏市が柏そごう跡地取得に向けて、検討・交渉に着手すると2023年6月の柏市議会にて柏市長が意向を表明されました。跡地活用の具体的な案は提示されていないものの、柏そごう問題の解決に向けて大事な一歩が踏み出されました。取得に向けては、多額となる取得費用を税金でねん出出来るのか、取得費用だけでなく解体・再開発費用も税金でねん出できるのか、市民のためになる建物を建設できるのか、等課題は山積だと思います。とはいえ、駅前一等地がずっと放置されるのも歯がゆい思いですので、柏市の意向を見守って行きたいと思います。もし再開発がなされるのであれば、個人的な想いとして、再開発後の建物の一部には立派な図書館コーナーを建設して欲しいと思います!柏市の人口は約43万人なのですが、現在の図書館は人口規模に見合った図書館ではないと思っているのです。。。折角なので、次回、他の自治体の図書館と比較してみようと思います。