前回の3月の投稿で「金利上昇に触れたいな」と書きましたが、そこから2ヶ月が経ってしまいました。GW前後は案件に追われて、整理する時間がなかったのです。。。

2024年7月及び2025年1月に日銀が政策金利の利上げを行い(7月が0.15%、1月が0.25%、合計0.4%の利上げ)、政策金利の上昇は住宅ローン変動金利の上昇に大きく影響を与えるため、4月頃から住宅ローンの変動金利が上昇しております。金利の上昇は不動産価格に影響を与えることとなりますが、どの程度の影響になるのかシミュレーションしてみました。

(従来)

 金利0.3% 借入額5,000万 借入期間30年の場合 ⇒ 毎月の返済額145,249円

                          総返済額52,289,824円(利息相当額2,289,824円)

ここで毎月の返済額を同じ約14.5万円とした場合、借入額がいくらになるのか計算してみました。

(今回)

 金利0.3%+0.15%=0.45%の場合 借入可能額は48,820,000円。つまり、5,000万より▲2.4%

 金利0.3%+0.4%=0.7%の場合     借入可能額は47,070,000円。つまり、5,000万より▲5.9%

従って、政策金利は合計0.4%上昇しておりますので、合計2回の利上げにより、不動産価格は単純に5.9%下落することとなります。ただ、個人的な感想としては23区を中心とした都心部のマンション価格は大きく上昇してきたため、金利0.4%の上昇は単純に5.9%下落しますが、それ以上に不動産価格が上がってきたので、金利上昇のインパクトは思ったより強くないのかなと考えます。


ただ、利息の変動分という観点からはどうでしょう。借入額は同じまま、金利上昇により利息分がどう変動するか計算してみました。

  5,000万借入の場合 金利0.3%→金利0.45% 月返済145,249円→148,500円 

                                                                                                      総返済52,289,824円→53,460,103円 利息分のみだと約1.5倍に上昇 

            金利0.3%→金利0.7%    月返済145,249円→154,022円 

                                                                                                      総返済52,289,824円→55,447,977円 利息分のみだと約2.4倍に上昇

利息分のみの変動にフォーカスすると、大幅な上昇ということになりますね。利息上昇分もそうですが、金利0.4%の上昇は月の返済額が約10,000円もアップします。戸建住宅の価格帯や購入者世帯の所得水準を鑑みると、そこまで交通利便性に優れていない総額2,500~4,000万の戸建住宅市場は金利上昇の影響を受けるのかなと思いますので、どのようなエリアは金利上昇の影響を受け、都心部は果たして影響を受けるのかどうか注視していく必要があるのかなと思います。